
前回のお話👇
ピカチュウとの生活を夢見たM子は、誕生日に当時大流行していた『手のひらピカチュウ』をもらったが…




ピカチュウは、体温を感知しない限り、一切うんともすんとも言わなかった。


その時のM子はまだ小さかった。子供の想像力ってたまに暴走してぶっとぶ。
手のひらピカチュウがただ手のひらに乗っけると『ピカチュウ!』て鳴るだけの事実をなぜか無視し、勝手に妄想を膨らましまくった。
今考えたら手のひらピカチュウはただの可愛いおもちゃで当然本物のピカチュウとは全然違うわけだけど、当時のM子はピカチュウと本当に一緒に暮らせると思ったわけだよね。
ピカチュウと一緒に散歩に行ったりお話したりすることは出来ないんだ。
そんなの当たり前なのに、その現実を知ったときのショックだった気持ちを大人になった今でも覚えてる。
その後も手のひらピカチュウは私の勉強机の上で、あるいは本棚の上で、結婚して家を出るまで飾られ続けていた。
母親になった今、娘がお気に入りの人形を抱きしめて眠るのを見ると、このときのことを思い出して少し切なくなる。
Fin.
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